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草木染めについて

藍染めはブルージーンズ、茜染めは日本の日の丸

草木染めは、メソポタミアやエジプトなど古代文明が栄えた紀元前数千年以上前から行われていたとされ、紀元前2000年頃に栄えたインダス文明の遺跡からは木綿糸を染めたものが見つかっています。また、インドのサラサや東南アジア地域の伝統的な染物、その山岳民族の衣装、さらにペルシャ絨毯も昔は藍(インディゴ)と茜(アリザリン)で染めていたと言われています。藍は青色、茜は朱赤(オレンジ)、この二つを掛け合わせると紫になり、茜を泥染めすると茶色になります。その茶色と藍を混ぜると黒になり、茶色、オレンジ、青、紫、そして生成り色、それが原始的な染色の基本と言われています。藍染の代表といえばブルージーンズ、茜染の代表といえば日本の国旗の日の丸でしょうか。
 草木染めの原料は、藍や茜のほか黄色を染める楊梅(ヤマモモ)や緑色を染める柘榴(ザクロ)、黒染めの原料・矢車附子(ヤシャブシ)、また、紅花、紫根、柿渋などがよく知られています。植物以外では、紫を染める悪鬼貝(アッキガイ)、赤を染めるコチニールなどがあります。  草木染めの特徴の一つは、色を定着させるために媒染剤を用いることです。媒染剤の金属イオンが色素成分と結びついて繊維に吸着し、色落ちを防ぐとともに鮮やかな発色のサポートをします。たとえば、玉ねぎを原料に染めた布を媒染剤のミョウバンに付けると黄色に染まり、媒染剤に鉄を使うと黒に染まります。媒染剤を上手く使うことで草木染めの色をさらに楽しむことができるのも草木染めの醍醐味です。

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