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原料と染め色

工房夢細工の伝統的な草木染めは、
自然の草木や鉱物、虫などを原料としています。
それぞれの原料で染まる色見本を参考にして
ご家庭でも草木染をお楽しみください。

ピンク 桜(さくら)花咲く前の蕾の付いた小枝を集め、約40日炊いたり冷ましたり。さらに約90日かけて熟成させ、桜の花びらのピンク色を染めていきます。
ベージュ 丁子(ちょうじ)平安時代に貴族の間で好まれ、染めた布に香りが残るため「香染」と呼ばれました。染色には花蕾を使い黄色を染めていきます。
ベージュ 胡桃(くるみ)果肉の部分を乾燥保存して利用し、ベージュを染めます。鉄媒染でも黒くならないことから、くすんだ色を染めるとき他の染料と併せて使用します。
玉葱(たまねぎ)玉葱は茶色い皮の部分を利用します。堅牢度は弱い。アルミ媒染で黄色・オレンジ。鉄媒染で茶・モスグリーンを染めます。
刈安(かりやす)黄色を染める代表的な草で、葉・幹・穂の部分を利用する。穂が三又に分かれているので見つけやすい。黄八丈はこれで染めます。
青緑 柘榴(ざくろ)子孫繁栄、豊穣の象徴。皮は痛み止め、根は虫下し、実は疲労回復に。染色には果皮を使い、黄色と独特の青味がかった緑色を染めます。
藍(あい)蓼藍の葉を発酵させて作ったすくもを使って、建て染めをしています。藍染の色は、虫除けとして、葉は、胃腸の薬として使われていました。
紫根(しこん)紫草は夏に白い花をつける多年草。染料には紫色をしたその根を使う。煎じ液は、解熱、解毒、皮膚病の薬として利用されています。
臙脂
紫香(しこう)ビルマ合歓の木に付く貝殻虫のスティックから色素を取ります。香料名を花没薬といい正倉院にも宝蔵されており、臙脂・紫を染めます。

蘇芳(すおう)マメ科の蘇芳の芯材を染めに使います。濃き蘇芳色から淡き蘇芳色まで平安の女房衣装等に使われました。独特の赤と紫を染めます。
桑(くわ)山地に自生し、紫黒色に熟した実は甘く、桑実酒やジャムに、緑葉は桑茶に。葉を利用し鮮やかな黄色を、泥染めを重ねて鶯色を染めます。
黄肌(きはだ)黄色を染める代表的な草で、二枚目の樹皮・生葉を使います。藍と併せて緑色を染めることに使われました。日光堅牢度が弱いようです。
槐樹(えんじゅ)マメ科の高木で黄色い花を咲かせます。古来より士の誉の樹木として大切にされてきました。蕾で雑味のない黄色を染めてくれます。

モスグリーン
楊梅/山桃(やまもも)夏になると蛇苺のような甘酸っぱい実をつける常緑樹。染料に使うのは樹皮で、この煎じ液は皮膚病や火傷にも効果があります。

モスグリーン
蓬(よもぎ)道端でよく群生する男蓬・女蓬などは蓬餅等でも身近な植物です。春先は黄色に秋にはベージュに、鉄媒染でくすんだ灰緑を染めます。
茜(あかね)染料に使うのは根で、根が赤いので茜(赤根)の名がつきました。日の丸の赤を染めた染料で、赤系の色を染める最も古い染料です。

グレー
矢車附子(やしゃぶし)矢車は春先から花を咲かせ、松かさに似た、小さな実をつけます。青く熟した実を干して使います。主に灰色やベージュを染めます。
栗(くり)栗は、樹皮や幹、葉、いが、果肉そのすべてが染料になります。この煎じ液は、皮膚病に効果があるとされています。
うす茶 珈琲(コーヒー)一杯の香りを楽しんだ後の珈琲豆の残りカスも美しい色を染めてくれます。紅茶のカスも良く染まりますのでお勧めします。
五倍子(ごばいし)ヌルデの木にできた虫瘤を五倍子といい、咳止め、消炎、皮膚炎に良いとされ平安時代には黒色を染め、お歯黒の原料として使われました。

注)色標はあくまで目安です。草木のとれた時期、状態、染め方等により色が変わってきます。

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