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草木染の色の力

草木染は命ある色の物語です。
生きているからふれあう楽しさがあり褪せていく色の味わいがあります。
草木の力は映し絵のように染めあがる色の中に受け継がれています。
それを状況に応じて正しく選ぶことで、あなたの運勢は良い方向に導かれます。

状況に応じて色を正しく選ぶことで人生は変わる!

草木染の色は、その誕生に自然の法則があり、もともと草木がもつ力が宿っています。それをあなたのものにするためには、そのときのあなた自身の状況に応じて色を正しく選ぶことがたいせつです。  あなたが気持ちを落ち着かせたいと思っているとき、または本当に体が弱っているときには身に着けないほうがいい色があります。ゆえに色を正しく用いることは、あなたを無意識のうちにいい方向に導いていく一つのきっかけになるのです。  例えば、病気のときは薬で強制的に治すという手もありますが、人は免疫機能など自分自身を正常に調えていく力をもともともっています。体力の充実を図るために茜染を一緒に着けると良いでしょう。  しかし、パワーがあるからと、あれもこれも複数の色を同時に使うと返って力は反発しあうものです。そのときの状況によって順繰りに使っていくことが上手な使い方のポイントです。あなたが前に踏み出す初めの一歩をサポートし、手を添えてくれるのが草木染の色の力なのです。

色が織りなす物語

草木が染める色には、草木がもともと持っている力が宿っています。
私たちの暮らしの中には、そうとは知らず
心や身体が救われている「色が織りなす物語」があるのです。

色の三段活用でストレス払拭!

会社に嫌な上司がいて、いつもストレスを感じている、なんとかならないものか、と女性のお客様から相談がありました。  私が「その上司は、あなたの右の方に座っているでしょう?」と聞くと、驚きながら「そうだ」とおっしゃる。彼女は感覚的な部分が辛そうでしたので、たぶん右のほうかなと。理性的に辛いときは左のほうが辛くなります。
 さっそく私は小さな黄色の小物を取り出し、これをあなたのデスクの右に置いておきなさいとアドバイスしました。それは“桑染めの黄色”です。なぜかというと、黄色には、壁をつくって「悪い気」から彼女を守る力があるからです。言い換えれば魔除けでしょうか。
 その数日後、少しだけ楽になったとおっしゃるので、今度はオレンジの小物を自分の側に置き、黄色の向こう側に桜ピンクの小物を置き、相手からは「桜ピンク」「黄色」「オレンジ」の順に並べるようアドバイスしました。
 少しサーモン系の桜ピンクは、本能的にこの人を守ってあげたいと相手に思わせる色、やさしさを喚起する色なのです。そしてオレンジ(朱色)は、自分の弱っている気持ちを活性化し、黄色でその間に壁をつくる・・・このように、色を三段階に使ったことで、その方はストレスがほぼ解消し仕事も順調に行くようになりました。

色が織りなす物語

ある著名なシンガーソングライターの女性が、テレビ番組のロケで私の工房にお出でになりました。ハンカチを桜染めし、後にそれがある雑誌の「私の宝物」というコーナーに紹介されているのを知り、たいへん嬉しく思っていました。  数年後、その方に道端でバッタリお会いしました。もう私のことは覚えていらっしゃらないだろうと思っていたら、道の向こうから「桜染めさ〜ん!」と私を呼ぶので、「雑誌に紹介していただいたのを見ました」とお礼を申し上げると、「私、今持っています」と言ってこちらに向かって歩いてこられ、そのハンカチを取り出しました。色はすっかり褪めていましたので、私は一瞬、「あっ!」と思いましたが、彼女は「ほら、こんなにいい色になりましたよ!」と。私は、その言葉を聞いてたいへん感動いたしました。同時に、ああ、なるほどこういう感性をお持ちだからこそ自分で詩を書き、曲をつけ、人を感動させる音楽がつくれるのだな、凄い感性だなと感心させられました。これも、人の心に温もりをあたえる桜の力なのだろうと思った次第です。

妻への最後のプレゼント

ある高齢の男性から「桜のスカーフが、どうしても明日までに欲しい」と会社に電話がかかってきました。住所をお聞きすると関東だとおっしゃるので「中一日かかりますが・・・」と申し上げると、「いや、どうしても明日ほしいんです」と。何か訳でもあるのですかとお聞きすると、奥様がもう余命いくばくもなく、以前、奥様と一緒にテレビを観ていたときにうちの桜染めのスカーフが紹介され、奥様が「とてもきれいね」とおっしゃったことを思い出し、最後かもしれないのでそれをプレゼントしたい、それでうちを探し出して電話したということでした。私は、すぐに福岡空港まで車を飛ばし、航空便で翌日に届くように手配しました。
 後日、その方からお礼状が届きました。「おかげさまで間に合いました。・・・桜のスカーフを妻の首に巻くと、『きれいね』と言って・・・そのまま逝きました。本当にありがとうございました。スカーフは、お棺のなかに一緒に納めさせていただきました」と。
 命が尽きようとしたときに桜染めを見て「きれいね」とおっしゃった・・・というのは、桜が人の心を癒すからでしょう。もう命が消えようとするときには、体を活性化してもどうしようもありません。救えるものがあるとしたら、後は心でしょう。桜のスカーフを巻いて桜の癒しの中で息を引き取った奥様に心の中で手を合わせ、ご仏壇に供えてくださいと、もう一つ桜染めのスカーフを送りました。

日本の禁色「黄櫨染(こうろぜん)」

日本では、平安時代から現在まで、天皇陛下が宮中の儀式のときにお召しになる装束、「袍」の色である黄櫨染(こうろぜん)は、代々の天皇陛下以外は着ることができない絶対禁色となっています。
 黄櫨染とは、黄櫨(ハジ=ハゼ)の黄色と「蘇芳(すおう)」の赤を掛け合わせて、濃いオレンジ系の黄色がかった茶色を染めたものです。中国の皇帝が着る衣装のようにパッと表面で輝くのではなく、内に太陽の象徴である黄色を忍ばせ、光の具合で黄色にも赤にも茶色にも見えるという高度な技術によって染められたものです。
 ちなみに、よく「黄櫨に負けた」と言う人がいますが、生木の新芽以外ではかぶれません。黄櫨で染めるならそれ以外の時期にすれば問題ありません。

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