YUMEZAIKUYUMEZAIKU

外敵を跳ねのけてあなたを守ります。

「安定」

青は本藍染めによる純粋なブルーを指します。
あなたを不安定にさせる要素を寄せつけず跳ねのけてあなたを
「安定」に導く色です。古来より世界中で永遠や不滅の象徴とされています。
多用すると逆に我が出過ぎてしまうため、とくに濃い青は上手に使いましょう。

藍は、防腐・殺菌効果
本藍とは「藍」だけで染めた色

藍染のブルーはインディゴという色素です。本藍とは、藍だけで染めたもので、きれいなブルーが染まります。「蓼(たで)食う虫も好き好き」という諺の蓼で染めた「蓼藍(たであい)」がもっとも一般的です。
 藍という植物は、もとから防腐・殺菌などの効力をもつことが知られていて、藍染は虫除けとして、葉は、胃腸の薬として使われていました。また、あの古代エジプトのミイラは藍に浸した包帯が巻かれていたと言われます。
 工房夢細工では、蓼藍の葉を発酵させて作った「すくも」を使い、建て染めをしています。

天然藍で染めたものが本藍です

藍(あい)

蓼藍の葉を発酵させて作ったすくもを使って、建て染めをしています。藍染の色は、虫除けとして、葉は、胃腸の薬として使われていました。

本藍染とは、色の素は天然の藍だけを使うものを指します。  しかし、最近では化学染料のインディゴを使って本藍と言っているところがほとんどです。合成藍でも本藍でも化学的にはインディゴだからという理由からでしょう。
 しかし、天然でないものには天然の力は持ち得ません。それに一目見れば本藍かどうかはすぐにわかります。合成藍は、例えて言えば気の抜けた炭酸飲料水を飲んでいるような感じでしょうか。

藍染を着ることは鎧を着ること

戦国時代、戦場では体が汚れ皮膚病が蔓延し、それが兵の士気に影響したとも言われます。そこで武将たちは殺菌作用のある藍染の下着を身につけて戦に臨んだそうです。戦場では衛生的とは言えない飲み水でお腹を壊すこともあります。そのときは藍染下着の端っこをチュチュチュッと噛んですすることで胃の中が消毒され、また、刀傷も藍染の下着で巻くと菌が増えず応急処置になったそうです。つまり藍染を着ることは、自らを守る鎧を着ることと同じだったのです。

藍染のジーンズは害虫除けに

昔、アメリカの金鉱山で働く人が土の上にごろ寝していると、毒ヘビや毒虫に噛まれて重傷を負うことがあったそうです。今私たちが履いている藍染のジーンズが登場したのはちょうどその頃。すると藍の臭いを嫌って毒ヘビや毒虫が寄りつかず、たいへん効果があったといわれます。西部劇などでもジーンズを履いたカウボーイが土の上にごろ寝するシーンがありますが、藍染すると布自体も長持ちし長旅にも重宝したようです。

「藍染」は青、濃紺は「紺染め」

あなたは濃紺に染めたものが藍染と思っていませんか? それは「紺染め」と言って昔は藍染と墨染めなどをかけあわせてつくりました。藍だけで染めるものを「本藍染」といい、きれいな青に染まります。そのかわり染料の量が通常の3倍ほど必要になります。それではコストがかかりすぎるため不純物がいっぱい入ったままの状態で染めるから濃紺になるのです。

青は全面よりもパーツで使う

 「黄色=対象を包んで守る」、「青=攻撃は最大の防御」と色によって実は守り方が違います。  青は使い方を間違うと我が強くなりすぎて他を寄せつけない色になりがちです。そのため工房夢細工では、洋服をデザインするとき柄はやさしくつくるように気をつけています。青は本来、差し色的に使うほうが色のパワーを活かせます。女性が婚活などでブルーの洋服を着ていくと頼もしく見えてしまい、そのためマザコン男が寄ってくるなどという説があるのもそうした理由からです。  つまり色選びで人生が変わるということです。

<コムロのコラム>
本当の草木染の色を知らないある染物屋の滑稽

いま、草木染屋さんも化学染料に頼っているところが多いせいか、ときどき、本来の草木染の色そのものを知らない染め職人が増えていることに驚かされることがあります。
 街で、ある染物屋さんが大勢を前にして「ツユクサで染めたブルーはきれいでしょう!」と得意満面で説明しているところに出くわしました。ツユクサの花は確かにブルーですが、草木染ではブルーには染まりません。逆に、その染まらない性質を利用して下絵を描く絵具として使われているのです。ちょっと草木染の知識があれば、その程度のことはすぐにわかることです。化学染料を使って染めていることを責めるわけではありませんが、せめて本物の草木染の色を知った上で、まことしやかな嘘をつくくらいの努力が必要でしょう。
 現代は、何事も便利で簡単なほうに傾いていく時代です。それは致し方ない面もありますが、手間暇かけて生み出す昔ながらのスタンダードを一度手放すと、二度と元には戻らないのが現代のものづくりなのかもしれません。

TOP